
43歳で妊娠したとき、私は不安と喜びの中で決意した。しかし夫の反応は冷たく、「高齢出産じゃまともな子どもは産めない」と言い放たれた。その言葉に深く傷つきながらも、私はお腹の命を守るため、一人でも産むことを選んだ。
その後離婚し、私は娘を育ててきた。苦しいことも多かったが、娘は優しく、しっかりと成長してくれた。
そして20年後。娘と買い物に出かけた先で、偶然元夫と再会した。彼はすっかり老け込み、かつての面影も薄れていた。そして開口一番、「介護は順調か?」と皮肉を投げてきた。
私は何も言い返さなかった。もう彼に対して感情はなく、ただ他人になっていたからだ。
その時、隣にいた女性が私を見て顔色を変えた。「あなた…まさか」と震える声。元夫は明らかに動揺し、何かを隠している様子だった。
だが私はそれ以上関わらなかった。元夫の呼びかけを無視し、娘と手をつないでその場を後にした。
かつて私を否定した人は、もう過去の存在。
今の私には、誇れる娘と、自分で築いた人生がある。
振り返る必要は、もうどこにもなかった。