授業参観の日、私は夫と一緒に学校へ向かった。夫は平日休みを取っていて、息子も嬉しそうに「来てね」と何度も念を押していた。教室では息子が一生懸命手を挙げ、私はその姿を誇らしく見ていた。すると廊下側から、学年で幅を利かせているボスママがわざと聞こえるように「夫婦そろって授業参観? 休みの取れる仕事って気楽でいいわね。無職かしら?」と笑った。
私は言い返したい気持ちを飲み込んだが、息子はその言葉を聞いていたのだろう。授業の合間に振り返り、「うん! パパは今日お休み。明日からフライトでパリなんだ!」と明るく言った。さらに「パパは飛行機のお仕事で、お客さんを安全に運ぶんだよ!」と続けると、教室の空気は一変。
保護者たちは驚き、ボスママは笑顔を失った。参観後、彼女は「冗談だったの」と言い訳したが、私は「冗談は人を選びます。息子の前では特に」とだけ返した。帰り道、息子は「言ってよかった?」と不安そうに聞いた。
私は「大丈夫。でも誰かをやり返すためじゃなく、大切な人を大切にするために言葉を使おうね」と伝えた。その日私は、強いのは肩書きではなく、家族を誇れるまっすぐな気持ちだと実感した。