先日、美容院を予約した。
メニューはカラーと前髪カットだけ。
予約画面には約3,000円と表示されていたので、そのつもりで来店した。
施術中、担当の美容師さんが一度だけ、
「今日は保湿も入れておきますね。」
と軽く言った。
でも、それだけだった。
「4,400円かかりますが追加しますか?」
とも、
「有料ですが大丈夫ですか?」
とも、一度も聞かれていない。
私は「乾燥しているからサービスでやってくれるのかな」くらいに思っていた。
そして会計。
レジに表示された金額を見て思わず固まった。
7,360円。
「すみません、金額が違いますよね?」
私はレシートを見ながら聞いた。
「このトリートメントって、サービスで付けてくださったものじゃないんですか?」
担当者はあっさりと言った。
「いいえ。追加メニューになります。」
私は思わず聞き返した。
「え?追加料金なんですか?
でも、料金なんて一度も聞いていませんよ。
『保湿も入れておきますね』とは言われましたけど、『4,400円かかります』なんて説明はありませんでしたよね?」
すると担当者は、
「乾燥されていたので、皆さん付けられますから。」
と平然と答えた。
私は首を横に振った。
「皆さんが付けるかどうかは関係ありません。
私はお願いしていませんし、金額も聞いていません。」
店員は少し困った顔になり、
「もう施術は終わっていますので、お支払いをお願いしています。」
と言った。
私はその場ではっきり言った。
「でも、金額を説明されなかったら普通はサービスだと思いませんか?
もし有料なら、最初に『4,400円かかりますが追加しますか?』って確認するのが普通ですよね。」
店内が静まり返った。
周りのお客さんまでこちらを見始める。
私はさらに続けた。
「値段を言わずに施術して、最後に請求する。
それって、お客さんに無料だと思わせるようなやり方じゃないですか?
私には、故意に説明を省いて追加料金を取っているようにしか思えません。」
担当者は黙ってしまった。
しばらくして奥から店長が出てきた。
店長は事情を聞くと、
「今回は特別に20%引きで対応します。」
と言った。
私はすぐに断った。
「割引の話ではありません。
私は値引きしてほしいんじゃなくて、説明もなく追加された料金を払う理由がないと言っているんです。」
店長は困った表情で、
「でも施術は受けられていますので……」
と言う。
私は財布を取り出しながら答えた。
「予約したメニュー代は払います。」
私は3,500円をカウンターへ置いた。
「追加分は了承していません。
説明も同意もないものにお金は払えません。
どうしても請求するなら、警察を呼んでください。
事情をそのまま説明します。」
その一言で店長の顔色が変わった。
店内には他のお客さんも並び始めていて、このまま騒ぎになれば営業にも影響する。
店長は何か言いたそうだったが、結局それ以上は引き止めてこなかった。
私は3,500円だけ置いて店を出た。
帰り道、改めて思った。
「保湿も入れておきますね。」
と、
「4,400円かかりますが追加しますか?」
は、まったく意味が違う。
説明もなく勝手に追加して、あとから請求する。
そんなものを私は契約とは思えない。
だから今後もし同じことがあったら、私は迷わずこう言う。
「金額の説明がなかったなら、私はサービスだと受け取りました。」
お金を払うかどうかを決める権利は、お店ではなく、お客さんにあるのだから。