兄が結婚してからというもの、義姉はたびたびアポなしで我が家へ来るようになりました。
「近くまで来たから。」
そう言って上がり込み、一度座ると何時間も帰りません。
母は義姉が苦手なので、いつも台所へ避難。
私は相手をするしかありませんでした。
その日も昼過ぎに突然インターホンが鳴り、玄関を開けると義姉が笑顔で立っていました。
「暇だったから来ちゃった!」
私は苦笑いしながら迎え入れましたが、三時間経っても帰る気配はありません。
夕飯の支度もあるので、
「ごめんね。今日はこのあと予定があるから、そろそろ帰ってもらえる?」
と、できるだけ優しく伝えました。
すると義姉の表情が一変。
スマホを私へ向けながら大声で言いました。
「今の録音しました!」
「これ、完全に嫁いびりですよね?」
「夫にも、お義母様にも全部聞かせます!」
そう言い残して勢いよく帰っていきました。
私は呆然。
でも、実はそのやり取りを母がずっと台所で聞いていました。
母は静かに出てきて一言。
「あなた、何も悪いこと言ってないじゃない。」
その日のうちに兄へ連絡すると、返ってきたのは深いため息でした。
「ごめん……。」
兄によると、義姉は最近、
「小姑に友達がいないから、私が遊んであげてる。」
と本気で思い込んでいたそうです。
私が帰ってほしいと言ったことで、
「せっかく友達になってあげてるのに感謝もされない。」
と兄に泣きながら訴え、大喧嘩になったとのことでした。
正直、友達は募集していません。
そして母が義姉を苦手な理由は、結婚前から変わっていません。
顔合わせの席で義姉は堂々と、
「絶対に同居はしません。」
「将来お義母様に何かあっても、小姑さんが全部やってください。」
「介護もお金も実の娘が負担するべきです。夫には関係ありません。」
と言い切りました。
ところがその一方で、
「結婚式の費用は出していただけますよね?」
と当然のように要求したのです。
その瞬間から、母の答えは決まっていました。
「介護も生活も息子は関係ないと言うなら、結婚式も私たちは関係ありません。」
結局、結婚式の費用は一円も援助しませんでした。
自分に都合のいい時だけ「家族」を名乗る人とは、距離を置くのが一番だと、改めて実感した出来事でした。