2時間しか停めてないのに“駐車料金16万5700円”表示された。病院で一番具合悪くなった瞬間
2026/05/07

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その日は朝から体調が悪かった。

立ち上がるたび、
視界が少し揺れる。

「なんか変だな……」

無理して仕事へ行く気にもなれず、
近所の病院へ向かった。

受付で症状を話すと、
看護師さんが言った。

「念のため点滴しましょうか」

そこまで重症のつもりはなかった。

でも、
座っているだけでも少しふらつく。

私はそのまま、
処置室のベッドへ案内された。

静かな部屋。

点滴の音だけが、
一定のリズムで響いている。

スマホを見たり、

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ぼーっとしたり。

気づけば、
2時間くらい経っていた。

「終わりましたよー」

看護師さんに針を外され、
私は少しホッとした。

体も多少楽になった気がする。

「ありがとうございました」

そう言って病院を出た。

駐車場へ向かいながら、
私は時計を見る。

「まぁ2時間くらいか」

病院の駐車場は、
外来患者なら4時間無料。

入口にもちゃんと書いてある。

だから私は、
完全に油断していた。

何も考えず、
精算機に駐車券を入れる。

ピッ。

そして次の瞬間。

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機械の女性音声が、
やけに落ち着いた声で言った。

「駐車料金は、165,700円です」

……。

私は固まった。

「え?」

画面を見る。

165700

いやいやいや。

桁がおかしい。

一、十、百、千、万。

……16万5千700円。

「なんで?!」

思わず声が出た。

さっきまで軽いめまいだったのに、
今度は本当にクラクラしてきた。

私は何度も画面を見る。

でも数字は変わらない。

165700円。

いや、
私2時間しか停めてない。

むしろ4時間無料の半分。

なのに16万。

どんなVIP駐車場だよ。

私は一度駐車券を抜いて、
もう一回入れ直した。

ピッ。

「駐車料金は、165,700円です」

変わらない。

この機械、


妙に自信満々で腹が立つ。

私は受付へ戻った。

「すみません、
駐車場なんですけど……」

事情を説明すると、
受付の人も最初は笑いかけた。

でも金額を聞いた瞬間、
顔が止まった。

「……え?」

そして一緒に精算機へ。

駐車券を入れる。

ピッ。

「駐車料金は、165,700円です」

受付の人、
完全沈黙。

私も沈黙。

二人で画面を見る。

なんだこの空気。

受付の人が、
小声で言った。

「え、なにこれ……」

だよね。

その後、

職員さんが何人も集まってきた。

完全に人だかり。

「患者さんですよね?」

「今日点滴されてます」

「4時間無料のはず……」

みんな精算機を囲む。

もう小さな事件現場だった。

やがて管理の人が呼ばれた。

精算機を開けて、
駐車券を読み込んで、
何かを確認して。

そして深いため息。

「システムエラーですね……」

そりゃそう。

逆に、
正常で16万請求だったら怖い。

どうやら設定がバグって、
滞在時間が異常計算されていたらしい。

管理の人が操作し直す。

もう一度精算。

ピッ。

表示。

0円。

その瞬間、

周囲から小さく笑いが漏れた。

「申し訳ありませんでした」

管理の人が頭を下げる。

私は苦笑いしかできなかった。

だって数分前まで、
16万請求されてたんだから。

点滴より、
よっぽど血圧上がった。

私は車に乗り込みながら思った。

今日、
一番体調悪くなった瞬間って――

間違いなく、
あの精算機だった。

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