小6の娘の担任から電話があり「卒業式当日、娘さんともう1人の女児で障害を持つクラスメイト男児の世話係を1日してほしい。汚れても構わない服装で来て欲しい。嫌なら…」
2026/06/30

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小学校の卒業式を数日後に控えた夕方、娘の担任から電話がかかってきた。

「卒業式当日なのですが、娘さんともう一人の女の子に、障害のあるクラスメイトの男の子の世話係をお願いしたいんです」

最初、私は意味が分からなかった。

「世話係、ですか?」

担任は当然のように続けた。

「移動の補助や荷物の管理、それから少し汚れる可能性もありますので、汚れても構わない服装で来ていただけると助かります」

卒業式は、娘にとって一生に一度の日だ。

お気に入りの服を着て、友達と写真を撮り、六年間を締めくくる大切な時間のはずだった。

それなのに、なぜ娘だけが裏方のような役目を押しつけられるのか。

私は静かに尋ねた。

「それは学校側の正式な決定ですか? 保護者の同意もなく、児童に介助を任せるのですか?」

すると担任は少し声を低くした。

「嫌なら仕方ありませんが……協力的ではないと、周囲に思われるかもしれませんよ」

その一言で、私は完全に冷静になった。

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電話を切ったあと、すぐに娘に確認した。

娘はうつむきながら言った。

「先生に、優しい子だからお願いねって言われた。でも本当は嫌だった。卒業式は普通に出たい」

私は翌朝、学校へ行き、校長先生にすべてを話した。

介助が必要な子を責めたいわけではない。

けれど、その責任を同級生の女の子に押しつけ、断りにくい空気を作るのは明らかにおかしい。

校長先生は顔色を変え、すぐに担任へ確認した。

結果、卒業式当日は学校職員が正式に対応することになり、娘たちは通常通り式に参加できることになった。

卒業式の日、娘はきれいな服で笑っていた。

写真の中の娘は、少し誇らしげだった。

私はその笑顔を見て思った。

優しさとは、黙って我慢することではない。

誰かを助けるために、別の誰かの大切な一日を犠牲にしていい理由にはならない。

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