臨月の嫁が俺を頼ってくれない。家事も毎日完璧にこなしていて、素敵な嫁だなーなんて呑気に思ってたある日。俺は病院に呼び出され、衝撃の事実を知ることに…。
2026/06/30

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臨月に入った妻は、相変わらず何でも一人でこなしていた。

朝は俺より早く起きて弁当を作り、洗濯物を干し、掃除まで済ませていた。

大きなお腹を抱えて動く姿を見ても、俺は深く考えなかった。

「無理するなよ」と口では言ったが、妻が「大丈夫」と笑うたびに、その言葉をそのまま信じていた。

むしろ、家事も毎日完璧にこなす妻を見て、素敵な嫁だな、なんて呑気に思っていた。

ある日の昼、会社に病院から電話が入った。

「奥様が倒れました。すぐ来られますか」

頭が真っ白になった。

病院へ駆け込むと、妻はベッドで点滴を受けていた。

顔色は悪く、唇も乾いていた。

医師は静かな声で俺に言った。

「かなり疲労がたまっています。貧血もあります。臨月の体で、毎日ここまで無理を続けるのは危険です」

俺は言葉を失った。

妻は俺に心配をかけまいとして、ずっと平気な顔をしていたのだ。

さらに看護師さんが続けた。

「奥様は『夫は仕事で忙しいから頼れない』と話していました」

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その一言が胸に刺さった。

頼ってくれなかったのではない。

頼れる夫だと、俺が思わせていなかったのだ。

ベッドの横に座ると、妻は申し訳なさそうに笑った。

「ごめんね。ちゃんとやらなきゃって思って」

俺はその手を握り、初めて自分の情けなさを知った。

「謝るのは俺の方だ。君が大丈夫って言った時、本当に大丈夫か確かめなかった」

その日から俺は、家事を“手伝う”という考えをやめた。

洗濯も食事も掃除も、二人の生活のこととして自分で動くようにした。

退院後、妻は少しずつ俺に頼るようになった。

完璧な妻でいる必要なんてなかった。

俺が守るべきだったのは、きれいな部屋ではなく、妻とこれから生まれてくる命だった。

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