「他人のババァが死のうが関係ないw」母が危篤だと伝えた私にそう言った夫。3日後、私の一言で顔色が変わった。
2026/06/01

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母が危篤だと病院から連絡を受けたのは、平日の昼過ぎだった。

スマホを握る手が震えた。

医師の声は落ち着いていたが、その内容は残酷だった。

「ご家族の方は、できるだけ早く来てください」

私はすぐに荷物をまとめた。

頭の中は真っ白だった。

そんな私を見ながら、夫はソファでスマホをいじっていた。

「母が危篤なの」

そう伝えた瞬間だった。

夫は顔も上げずに鼻で笑った。

「他人のババァがどうなろうと知るかw」

私は言葉を失った。

冗談だと思いたかった。

だが夫は続けた。

「俺は前から予約してた温泉旅行あるし」

「じゃ、行ってくるわw」

そう言って荷物を持ち、家を出ていった。

私は何も言えなかった。

怒る余裕もなかった。

今は一秒でも早く母の元へ行きたかったからだ。

病院へ着いた時、母はもうほとんど意識がなかった。

酸素マスクをつけ、かすかに呼吸をしている。

私は母の手を握った。

子供の頃の思い出。

反抗期に迷惑をかけたこと。

結婚してから支えてくれたこと。

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感謝の言葉を何度も伝えた。

母が聞こえていたのかは分からない。

それでも話し続けた。

数時間後。

母は静かに息を引き取った。

私は泣いた。

声が枯れるほど泣いた。

だが悲しんでいる暇はなかった。

葬儀の準備。

親戚への連絡。

役所の手続き。

次から次へとやることが押し寄せてきた。

その間、夫から連絡はなかった。

心配する言葉もない。

葬儀に来る気配もない。

ただ一度だけ、

「温泉気持ちいいわー」

という写真付きのメッセージが届いた。

私は返信しなかった。

怒りを通り越していた。

三日後。

葬儀を終えた私は、ようやく自宅へ戻った。

玄関の鍵を開ける。

ドアが開く。

するとリビングから夫が出てきた。

日焼けした顔。

楽しそうな表情。

旅行帰りそのものだった。

そして何事もなかったように言った。

「おかえり」

その瞬間。

私の中で何かが完全に終わった。

怒鳴りたかった。

責めたかった。

でも不思議と冷静だった。

私は夫を見た。

そして静かに言った。

「お義母さんのお葬式、終わったよ」

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夫の表情が固まった。

数秒。

理解できなかったらしい。

そして顔色が変わった。

「え……?」

私は続けた。

「あなたが言ったじゃない」

「他人のババァがどうなろうと知るかって」

「だから、お義母さんが亡くなったことも知らなくて当然だと思って」

夫は青ざめた。

慌てて言葉を探している。

だが何も出てこない。

私はその姿を見ていた。

怒りはもうなかった。

悲しみも少し違うものに変わっていた。

人は大切な時に本性が出る。

母の最期を前にして、

私の隣に立ってくれる人だと思っていた。

でも違った。

温泉旅行を選んだのだ。

母を失った悲しみは消えない。

けれどあの日、私はもう一つのものを失った。

夫への信頼だった。

そして一度失った信頼は、

母の命と同じように、

二度と戻ってこないのだと知った。

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