「富士山なんて余裕でしょ!」→台風の中、無計画登山した結果... 富士山学生遭難事故
2026/05/31

広告

2011年9月、大学生のA君たち4人は、夏休みの思い出作りに富士山へ向かった。高校時代から仲の良い彼らは、ある日「富士山の頂上から御来光を見たい」というA君の一言で、ほとんど準備もないまま登山を決めてしまう。

全員が登山初心者だった。登山届も出さず、天候も十分に確認しない。服装はパーカーやショートパンツ、足元は普通のスニーカー。持っていた雨具も一般的なレインコートだけだった。それでも彼らは「富士山なんて有名な山だし、何とかなるだろう」と軽く考えていた。

広島から富士山までは約700キロ。長時間の運転で疲労をためたまま、4人は深夜1時過ぎに富士宮口五合目へ到着した。外は雨。台風の影響で風も強かったが、御来光に間に合わせたい一心で、仮眠も取らずに登り始めた。

最初こそ若さと勢いで進んだものの、六合目を過ぎると状況は一変する。岩場は雨で滑りやすく、スニーカーでは足元が不安定だった。標高が上がるにつれ気温は下がり、強風にあおられたレインコートは役に立たなくなる。

広告

服も靴もずぶ濡れになり、体温は急速に奪われていった。

八合目付近にたどり着いた頃、4人はようやく危険を悟った。山小屋へ逃げ込もうとしたが、閉山間際で扉は施錠されていた。凍える体で周囲を探し、幸運にも玄関が開放されていた富士山衛生センターに避難することができた。

それでも体力は限界だった。眠れば二度と目覚めないかもしれない。恐怖の中、4人は携帯電話で静岡県警に救助を要請した。救助隊は暴風雨の中、夜明け前の富士山を登り、約3時間後に彼らを発見する。

4人は全員無事だった。しかし、それは救助隊の迅速な対応と、避難場所にたどり着けた偶然が重なった結果にすぎない。富士山は日本一有名な山であっても、決して気軽な観光地ではない。無計画な一歩は、自分だけでなく、救助する人の命まで危険にさらすのだ。

広告

AD
記事