警察官が突然声をかけてきた。「職質です。」
私は驚きつつも冷静にスマホを取り出す。「撮影しますね。」
警察官は眉をひそめ、声を少し強めた。「なにしてんの?肖像権の侵害だからね?」
現場は街角の交差点。私はただ建物や風景を撮影していただけで、誰か特定の人物を狙ったわけではなかった。にもかかわらず、警察官は疑いの目を私に向けている。胸の奥で不満が芽生えつつも、私は平静を装った。
「写真は公道上の建物です。通行人の顔は一切映っていません」と説明すると、警察官は一瞬立ち止まり、スマホの画面を覗き込む。しかし、まだ納得していない様子で、「でも、肖像権のことを考えなさい」と念を押す。
私はその言葉を聞き、思わず微笑んだ。「肖像権は大事ですが、これは法律上も問題ありません。
必要なら、この場で私の撮影の合法性を説明できます」と少し強めに言うと、警察官は少し後ずさりした。
その後、警察官は確認のために数枚写真をチェックしただけで、最後には「わかりました。気をつけてください」とだけ言い残し、立ち去った。周囲の通行人は何事もなかったかのように歩き去る。
その瞬間、私は深く息をついた。法律の知識と冷静な対応が、無用なトラブルを回避してくれたのだ。街中での撮影は自由であることを、改めて自分の行動で証明できた。
私のスマホに映る建物と街の景色は、変わらず静かに存在していた。だが、あの短い緊張の時間が、日常の中での勇気の証になったことは間違いない。