私は50代後半、娘が3人います。
元夫とは離婚しましたが、結婚していた頃からずっと共働きで、自営業をしながら家計を支えてきました。
生活は決して楽ではありませんでした。
それでも「子どもたちだけは不自由させたくない」という一心で働き続け、3人とも高校まで通わせました。
自分の服や趣味は後回し。
休みの日も仕事や家事に追われ、気づけば子育てだけで何十年も過ぎていました。
そんなある日の朝のことです。
リビングに、次女の携帯電話が置きっぱなしになっていました。
通知が何度も鳴るので、何気なく画面を見ると、娘3人だけのグループトークが開いたままになっていました。
見てはいけないと思いながらも、目に飛び込んできた一文に手が止まりました。
「本当、親に恵まれなかったよね。」
その一言を見た瞬間、頭が真っ白になりました。
スクロールすると、
「子どもの頃、我慢ばっかりだった。」
「もっと普通の家庭に生まれたかった。」
「友達のお母さんが羨ましかった。
」
そんな言葉が次々と並んでいました。
私は思わず携帯を閉じました。
涙が止まりませんでした。
あの子たちは、私が夜遅くまで働いていた理由も、眠い目をこすりながらお弁当を作っていたことも知っています。
学費を払うために、自分の欲しいものを何年も我慢してきたことも知っているはずです。
それでも、娘たちにとって私は「恵まれなかった親」だったのでしょう。
もちろん、子どもには子どもの寂しさがあったのだと思います。
仕事ばかりで一緒に過ごす時間が少なかったことも事実です。
でも、あの日の私は、精一杯生きることしかできませんでした。
親は、頑張った分だけ報われるわけではありません。
愛情を注いだからといって、それがそのまま子どもに伝わるとも限りません。
そう頭では分かっていても、「親に恵まれなかった」という一言だけは、今でも胸の奥に深く刺さったまま抜けません。