義兄に車を貸し続けた結果、“高速ガス欠”でようやく人の善意を理解した話
2026/05/18

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義兄に車を貸すたび、私は地味にストレスを溜めていた。

最初は別に気にしていなかった。

「ちょっと車貸して〜」

そう言われるたび、
家族だし、
困ってるならお互い様かなと思っていた。

でも。

一回や二回じゃなかった。

返ってくるたびに、
ガソリンはほぼ空。

メーターは毎回、
赤ランプ寸前。

しかも車体は泥だらけ。

山でも行ったのかってくらい汚れている日もあった。

さらにひどいのが車内。

コンビニ袋。
空のペットボトル。
食べかけのお菓子。

一度なんて、

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後部座席に唐揚げの串が転がっていた。

見つけた瞬間、
本気で意味が分からなかった。

私はレンタカー屋じゃない。

当然、
給油するのは毎回こっち。

洗車。
掃除。
ゴミ捨て。

全部私。

なのに義兄は、
毎回ヘラヘラ笑って言う。

「助かったわ〜!」

いや、
こっちは全然助かってない。

ある日、
さすがに我慢できなくなって、
やんわり言ったことがある。

「せめてガソリンくらい入れて返してくださいよ」

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すると義兄は笑いながら言った。

「細かいな〜」

さらに続けた。

「家族なんだから、それくらい普通だろ?」

その瞬間、
私の中で何かがスッと冷えた。

ああ。

この人、
人の善意を“無料”だと思ってるんだ。

感謝じゃなく、
当然だと思ってる。

だから平気で汚せるし、
平気で空っぽにできる。

それから数週間後。

また義兄から連絡が来た。

「悪い、また車貸して!」

私はスマホを見ながら、
静かに笑った。

そしてその日、
私はわざと給油しなかった。

ガソリンメーターは、


赤ランプギリギリ手前。

あと数キロなら走れる。

でも遠出したら危ない。

絶妙なラインだった。

義兄はいつも通り、
何も確認せず車を持って行った。

「サンキュー!」

本当に、
何も見てない。

そして数時間後。

スマホが鳴った。

義兄からだった。

電話に出た瞬間、
怒鳴り声が飛んできた。

「お前ふざけんな!!」

「高速でガス欠したんだけど!?」

後ろではクラクション音。

かなり修羅場っぽい。

私は落ち着いて答えた。

「え?」

「普段、通勤でちょうどいいくらい残ってたんですけど」

義兄はさらに怒鳴った。

「普通もっと入れとくだろ!!」

私は思わず笑ってしまった。

いや。

それ、

毎回こっちが思ってたことなんですよ。

しかも義兄、
高速道路で止まったせいで、
レッカーを呼ぶ羽目になったらしい。

高速料金。
レッカー代。
給油代。

全部自腹。

後日もしばらく、
文句LINEが続いた。

「性格悪すぎ」

「わざとだろ」

「家族に普通こんなことする?」

だから私は、
最後に一言だけ返した。

「毎回ガソリン空で返してた人に言われたくないです」

送信。

既読。

返信は来なかった。

それ以来、

義兄は二度と車を借りに来ていない。

たぶん、
ようやく分かったんだと思う。

人の車って、
“勝手にガソリン満タンになる乗り物”じゃないって。

そして——

“家族だから甘えていい”と、
“家族だから感謝を忘れていい”は、
全然別の話だって。

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