
安西昇太、27歳。中堅商社の営業として、会社の命運を左右する13億円の大口案件を任されていた。前日まで入念に準備を重ね、当日の朝も万全の状態で家を出る。しかし駅へ向かう途中、心臓発作で倒れた老人を目にする。周囲がためらう中、昇太は迷いながらも救命を選び、心肺蘇生とAED対応に全力を尽くす。救急搬送にも同行したため、商談には大幅に遅刻してしまう。
取引先は激怒し、案件は白紙に。会社に戻った昇太は社長から「優先順位を間違えた」と厳しく叱責され、その場で解雇を言い渡される。自分の選択は正しかったのかと葛藤しながら、会社を追い出される。
その直後、黒塗りの高級車の一団が到着。救った老人は有力者の身内であり、その人物が直々に礼を述べに来たのだった。事情を聞いた彼は取引先に働きかけ、翌日の再商談を取り付ける。
翌日、昇太は誠実に提案を行い、見事に13億円の契約を成立させる。後日、老人が無事回復したことも知る。
仕事や立場を失いかけても、目の前の命を救った選択に後悔はなかった。その行動が、結果的に新たな道と信頼をもたらしたのである。