【たった120万円だろ?】孫の入学式当日。息子「母さんの席ねぇから」私「そう...じゃあ食事だけでもどうかしら」
2026/05/13

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あの日、私は飛行機で息子の住む街に向かっていた。手元には翼へのお祝いの手紙と御祝儀袋。胸の中は期待と少しの不安でいっぱいだった。

入学式の朝、ホテルでスーツに袖を通し、鏡の前で深呼吸をした。昨日、丁寧にアイロンをかけたジャケットは、私にとって孫に会う覚悟の象徴だった。スマホが鳴る。「母さん、保護者の席が足りなくて…」息子からのラインだった。

校門に立った私は、翼の笑顔だけを頼りに進んだ。小さなランドセルを背負った翼、その隣には向こうの祖父母。息子も嫁も、まるで私の存在など気にしていないかのように楽しそうだった。パーテーション越しに聞こえる声、楽しそうな笑い声。私は静かに立ち尽くした。

心の中で静かに、しかし確かに笑った。六年間、私が送った金額、飛行機代、ホテル代、一つ一つを思い返す。そのすべては翼のためだった。周囲の都合に振り回される必要はない。私の行動は、誰かの承認を得るためではない。

式の後、ファミレスで一番高いステーキを注文した。

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自分のために使う初めての時間、味わう一口一口に、解放感と小さな勝利感が詰まっていた。翼と直接触れ合う時間は、私の自由であり、私の選択だった。

夏休み、翼から届いたエニッキの写真。小さな手と背中、手書きで「おばあちゃん大好き」と書かれていた。それを見たとき、涙は出なかった。ただ心の奥で、届いたことを確かめた。

私はもう、誰かの都合で自分を差し出す必要はない。孫との時間も、金銭も、私が決める。あの日のステーキと写真が、私に新しい生き方を教えてくれたのだ。

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