トンカツ屋で、私はエビフライ定食を注文した。
彼氏はいつものように「俺は普通のでいい」と言いながら、私の皿を狙う癖がある。
だからトイレに立つ前、はっきり言った。
「私のが来ても食べないでね」
彼氏は笑って「子どもじゃないんだから」と返した。
数分後、席に戻った私は固まった。
店員さんが置いたはずのエビフライ定食を、彼氏が普通に食べていた。
「ちょっと味見しただけ」
そう言いながら、エビフライはもう一本も残っていない。
私が黙っていると、隣の席の女性が店員さんを呼んだ。
「すみません、この方、彼女さんの分を全部食べてましたよ」
店員さんの表情が変わる。
さらに彼氏は笑って言った。
「カップルなんだから別にいいでしょ」
その瞬間、私は財布から自分の分だけの代金を置いて立ち上がった。
「じゃあ、その定食代とあなたの食い意地、全部自分で払って」
店内が静まり返る中、彼氏の顔だけが真っ赤になっていた。