離婚したのに『親の介護だけは続けてくれ』。1か月後、元夫の本当の目的を知った私は、最後の情も捨てた。
2026/06/23

広告

離婚して三日後、元夫から一本の電話がかかってきた。

「頼みがある。」

その一言で嫌な予感がした。

「親の介護だけは今まで通り続けてもらえないかな。」

思わず聞き返した。

「……は?」

「二十年も家族だったんだからさ。離婚したからって急に他人になるわけじゃないだろ?親もお前のこと本当の娘みたいに思ってるし。」

私は何も言わず電話を切った。

二十年間、仕事をしながら義父母の通院、買い物、食事、夜中の呼び出しまで全部私がやってきた。

その間、元夫は「介護は女のほうが向いてる」と言って何もしなかった。

そして最後は私を捨てた。

それなのに介護だけ残していくなんて、あまりにも都合が良すぎた。

それから一か月後。

元夫の友人から連絡が来た。

「知らないと思って連絡した。あいつ、もう元カノと一緒にいるよ。」

頭が真っ白になった。

聞けば離婚前から元カノと連絡を取り合い、再婚の約束までしていたらしい。

離婚理由を「価値観の違い」と言っていたのも全部嘘だった。

広告

私には介護を押し付け、自分は昔の恋人と新しい人生を始める。

全部、最初から決まっていたのだ。

数日後、元夫が突然家までやって来た。

インターホン越しに言う。

「なんで親のところへ行ってくれないんだ。」

「困ってるんだぞ。」

私は玄関を開けた。

「あなたが困るのは私には関係ない。」

すると元夫は顔を真っ赤にして怒鳴った。

「そんな薄情な女だったのか!」

「親はお前を娘だと思ってる!」

「介護くらい続けたっていいじゃないか!」

私は静かにスマホを取り出した。

「じゃあ確認するね。」

そう言って、一人の女性へ電話をかけた。

十分ほどで、元夫の"今の彼女"がやって来た。

彼女は私を見るなり少し驚いた顔をした。

私は笑顔で言った。

「もうすぐ結婚されるんですよね?おめでとうございます。」

「今日は介護のお話をしようと思って。」

彼女は首をかしげる。

「介護?」

私は元夫を見る。

「説明してないの?」

彼は一瞬固まった。

私は続けた。

「離婚しても私に義父母の介護を続けさせて、自分たちは再婚する予定なんですよ。

広告

彼女の表情が一気に変わった。

「……え?」

「そんな話、一度も聞いてない。」

元夫は慌てて弁解した。

「いや、その……落ち着いたら話そうと思って……。」

「介護は施設もあるし……。」

彼女は怒鳴った。

「私に介護させるつもりだったの?」

「違う!だから元嫁に……」

その瞬間だった。

「元嫁に?」

彼女の声がさらに大きくなる。

「離婚した人に介護させて、自分は私と結婚するつもりだったの?」

二人はその場で大喧嘩になった。

私は何も言わず玄関にもたれ、最後まで見届けた。

数日後。

今度は義母から電話が来た。

「お願いだから戻ってきて。」

「あなたしか頼れる人がいないの。」

続けて義父も言う。

「新しいお嫁さんには迷惑をかけられない。」

私は思わず笑ってしまった。

「その"新しいお嫁さん"を選んだのは息子さんですよね。」

「私はもう他人です。」

「介護が必要なら、ご家族で話し合ってください。」

そう言って電話を切り、着信拒否にした。

その週末、私は引っ越した。

住所も電話番号も変えた。

後から共通の知人に聞いた話では、元夫は介護の現実を前に彼女とも毎日のように口論になり、結局結婚話は白紙になったらしい。

義父母は施設へ入所。

元夫は仕事と介護費用に追われ、「こんなはずじゃなかった」と何度も漏らしているという。

私はもう何も思わなかった。

二十年間尽くした私を、都合のいい介護要員としか見ていなかった人に、これ以上使う時間も情も残っていない。

離婚届に判を押したあの日。

私は夫だけではなく、"無料の介護要員"という役目も一緒に捨ててきたのだから。

広告

AD
記事