披露宴は終始、穏やかな雰囲気に包まれていた。白いドレスに身を包んだ新婦は、少し緊張した様子ながらも笑顔を浮かべ、ゲストの祝福を受けていた。
しかし、その空気が一変したのは突然だった。
新婦が何の前触れもなく立ち上がり、次の瞬間、苦しそうにその場で嘔吐したのである。
会場は一瞬で静まり返った。悲鳴に近いざわめきが広がり、司会者も言葉を失っていた。
すぐに友人である医者が駆け寄る。
「大丈夫です、別室に行きましょう」
その言葉に、私は一瞬「緊張しすぎてしまったのだろう」と思った。披露宴という特別な場、過度の緊張で体調を崩すこともあるだろうと。
しかし、新婦の顔は明らかに青ざめていった。
医者は新婦の腕を支えながら、静かにもう一度確認するように言った。
「これは単なる体調不良ではありませんね」
その一言に、空気が再び凍りついた。
新婦の目が大きく見開かれる。周囲のざわめきも消え、時間が止まったようだった。
私はその場で息を呑んだ。
「え……どういうことですか?」
しかし医者は答えず、新婦を支えたまま別室へと急いだ。
残された会場には、説明のない不安だけが漂っていた。
そしてその後、誰も予想していなかった“事実”が明らかになることになる。