「嫌ならチャーター便でも乗れば?」夜行バスで赤ちゃんが大号泣。消灯後の車内に絶叫が響き、私は外であやしてはと伝えただけなのに逆ギレ。「赤ちゃんは泣くのが仕事」と言われた。泣くのが仕事だから赤ちゃんは悪くない、でも選んだのは親だ運転手が動き、空気が変わった。
2026/03/31

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夜行バスの灯りが消えて、わずか3分。
静まりかけた車内に、突然赤ちゃんの大きな泣き声が響いた。

最初は、すぐ落ち着くと思った。
だが5分、10分と経っても止まらない。母親は座席で赤ちゃんを抱えたまま揺らしているだけで、デッキに出る様子もない。

車内は消灯済み。皆が眠る前提の夜行バスだ。
私は翌朝の仕事のために、この便を選んでいた。

赤ちゃんが悪くないことは分かっている。
それでも20分以上泣き続け、車内の空気は重くなっていった。

私は迷った末、小声で言った。
「すみません……少し外であやしていただけませんか?」

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すると母親は声を上げた。
「赤ちゃんは泣くのが仕事なんです!嫌ならチャーター便でも乗ればいいじゃないですか?」

車内の視線が一斉に集まる。

その時、前方から低い声が聞こえた。
「ここは寝る前提のバスだろ」
別の席からも「せめてデッキに出るとかあるだろ」と静かな声が続く。

やがて運転手のアナウンスが入った。
「皆様が快適にお過ごしいただけるよう、ご配慮をお願いいたします。次のサービスエリアで少しお時間を取ります」

到着後、運転手は穏やかに母親へ声をかけた。
「外の空気を吸われますか。お子様も落ち着くかもしれません」

彼女は赤ちゃんを抱え、バスを降りた。

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しばらくして戻ってきた時、赤ちゃんは眠っていた。
車内には再び静けさが戻る。

赤ちゃんは悪くない。泣くのが仕事だ。
でも、「赤ちゃんは泣くもの」という言葉は、周囲の優しさの上に成り立つものだ。

優しさは強制ではない。
我慢も義務ではない。

あの夜、私は怒鳴らなかった。
ただ、黙らなかっただけだ。

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