
「心拍が確認できません。」
医師の言葉が耳に届いた瞬間、胸の奥が冷たくなった。突然の告知に、何が起きたのか理解できず、涙が溢れた。
医師は続けた。「母体への負担も考えて、今日処置もできます。」
私は必死でお願いした。「もう一週間待ってください。」
医師は優しく頷き、「ご自分を責めないで」と言った。
病院を出ると、空気が冷たく感じられた。お腹の中の小さな命が、この世に生まれてこないのだと思うと、言葉も出なかった。義母に電話すると、「謝らなくていいのよ、あなたが一番辛いんだから」と泣きながら励ましてくれた。
一週間、心は不安と希望で揺れた。眠れず、涙が止まらず、毎日祈るようにお腹をさすった。微かな希望を信じながら、諦めたくない気持ちが少しずつ芽生えた。
そして一週間後、再び診察室へ。医師が驚きの声で言った。「心拍だ!良かった!」
言葉も出ず、ただ涙が溢れた。あの瞬間、私は心から安心し、喜びに打ち震えた。
その後も切迫流産や早産の試練があったが、諦めず全力を尽くした。やがて元気な女の子が生まれ、25年の時を経て成人し、結婚を控えている。
あの小さな命がもたらした奇跡と感動は、今でも私の宝物だ。「ありがとう。生まれてきてくれて、本当にありがとう。」