「新幹線の指定席に行ったら、知らないおばあさんが私の席で寝ていた。」
手にはチケットがある。間違いなく私の席だ。
「すみません、ここ私の席です」と声をかけると、隣に座っていたおじいさんがすぐに遮った。
「起こさないであげてくれ」「疲れてるんだよ」
指定席だ。もう一度伝える。
「若いんだから立てばいいだろ」「荷物にでも座れば?」
――は?完全に冷めた。
私は少し笑みを浮かべ、毅然と言った。
「じゃあ、あなたが席を代わってください」
おじいさんの顔色が変わる。数秒後、舌打ちしながら立ち上がったかと思ったら――
次の瞬間、私のスーツケースの上にドンと座った。
「これでいいだろ」
……そういうことを平気でやるのか、と冷や汗が流れる。
私はスマホを取り出し、カメラを回すふりをしながら言った。
「じゃあ、ルールでいきましょうか」
その瞬間、車内の空気が一気に変わった。
周囲の乗客がこちらに視線を向け、おじいさんは言い返せず、席を移動するしかなくなった。
静かな新幹線に戻ったとき、私は深く息をつき、内心で勝利のガッツポーズをした。
ルールと毅然とした態度こそ、理不尽に立ち向かう最強の武器だ――そう実感した瞬間だった。