コンビニの店内は、いつも通りの夜の静けさに戻りつつあった。
レジ前に立たされた大学生らしき若者は、顔を真っ青にしてうつむいている。手には、さきほど棚から持ち出した商品が並べられていた。
店長は淡々とした口調で言った。
「今回は警察には言わない。でも、これは全部買い取ってくれるね?」
若者は何度も頷き、震える手で財布を取り出した。アルバイト代が入ったばかりのはずのカードから、次々と決済が行われていく。
会計が終わったあと、店長はさらに一歩踏み込んだ。
「それと、これも」
差し出されたのは、プリントアウトされた“防犯カメラの映像の一部”だった。そこには、手慣れた様子で商品をポケットに入れる自分の姿がはっきりと映っている。
若者の顔色がさらに変わる。
「これは学内にも連絡できます。あなたの通う大学の学生課宛てにもね」
その言葉に、肩が大きく震えた。
さらに——店長は静かに続けた。
「次に同じことがあれば、今回は“買い取り”では済まない。
その覚悟はしておいてください」
若者は何も言えず、ただ深く頭を下げたまま店を出ていった。
自動ドアが閉まる音だけが、やけに重く響いていた。